今現在、ガンダムSEED FREEDOMが大ヒットを飛ばしています。
この中で、一部意見の中で、ガンダムSEED FREEDOMは、俺達が求めていたガンダムSEEDじゃないという意見があります。
さらに、ガンダムSEEDの苦しさを味わいたかったという意見もありました。
確かに、ガンダムSEEDを当時見ていた同世代の人たちがそういうことを言うこともわかります。
しかし、あえてこそガンダムSEED世代の人たちに言いたい。
ガンダムSEED FREEDOMは、俺達が求めていたガンダムSEEDじゃないと言えるのは、まだあなたたちが苦しみ抜いていないからそう言えるのではないでしょうか。
なぜこのような強い言葉を言ったかというと、私は高校生のときに魔法少女まどかマギカを見ていた世代だからです。
ガンダムSEEDは、私が小学生低学年の時代に放送されていて、正直内容まで理解できずに視聴していました。
ただガンダムSEEDのオープニングはカッコよかったことや、ジェネシスのシーンがあまりにもグロく衝撃的だったことは今でも鮮明に覚えています。
ガンダムSEEDのコズミック・イラは確かに、ナチュラルとコーディネーターの遺伝子レベルの争いです。
この問題は一生解決するのは難しいと思います。
さらに、大量破壊兵器などのサイクロップスやジェネシスが、作中でむごたらしく戦果を拡大させていきました。
本当にコズミック・イラは終わっています。
しかし、こんな終わった世界でも、まだ主人公のキラにとって頼れる仲間たちがいます。
恋人のラクス、親友のアスラン、双子の兄弟のカガリ、キラの両親のヤマト夫妻など、キラを支えてくれる存在がすごく多いです。
そして、ガンダムSEEDフリーダムで、キラはようやく自分の気持ちを素直に吐露して、仲間を頼れる心理状態になりました。
この映画を見て、もうキラは大丈夫だと私はそう思えるようになりました。
もうナチュラルとコーディネーターの争いを終わらせることができない終わったコズミック・イラの世界でもキラたちは生きていくことができると思います。
それに比べて、ガンダムSEEDの後輩たちの世界はまだコズミック・イラの世界に終わっていませんが、それよりも終わっているのが、主人公たちを取り巻く人間関係です。
裏切り、闇堕ち、曇らせ・鬱展開などは当たり前、最終的には主人公を犠牲にすることで自体を解決されていることがほとんどです。
具体例をあげていきます。
ガンダムSEED DESTINYの後の2006年に放送されたロボットアニメ、コードギアス 反逆のルルーシュがあります。
コードギアスは、最強の国：ブリタニア帝国の皇帝の父を持つ主人公のルルーシュが間接的に父に母を殺されたという恨みを復讐する物語です。
ルルーシュは帝国を倒すために、ダークヒーローのような活躍を見せていきます。
そんな中、ルルーシュはかつての親友である枢木スザクと再会します。
スザクは帝国のお姫様であるユーフェミアの騎士になっており、ルルーシュとスザクは対立を深めていきます。
そんな中、2人の間に決定的な亀裂が生じます。
それは、ルルーシュはユーフェミアを殺してしまうというものでした。
ルルーシュはスザクとの関係がもう戻ることはないというのも承知の上での行動でした。
このことでルルーシュとスザクは愛憎入り乱れる戦いに向かっていきます。
それもキラとアスランのように和解などできないほどに。
物語の終盤でルルーシュとスザクは共闘するのですが、この戦いは世界を平和にするために、2人が悪役になり殺させるというものでした。
最終的にルルーシュは殺されることで世界を平和にし、スザクは死にはしませんでしたが、一生素性を隠し、ルルーシュが亡くなった後の平和な世界を守り続けていくというエンドで終わります。
ガンダムSEEDは最終的にキラとアスランは共闘し、2人は死なずに生きています。
ガンダムSEEDフリーダムで苦しみたかったというのは、ある意味キラとアスランが生きているからこそ言えるんです。
2008年にルルーシュが自ら死ぬことで、世界を平和にしました。
ですが、その後の後輩でも、悲劇が続きます。
それは2011年に放送されたアニメ：魔法少女まどかマギカの存在です。
魔法少女まどかマギカは、魔法少女を扱った作品で、セーラームーンやカードキャプターさくら、おジャ魔女どれみなどとは違ったダークな世界観が売りの作品です。
なぜ他の魔法少女ものよりダークな世界観というと、魔法少女は最終的に化け物である魔女になってしまうとところがあるからです。
このことは魔法少女の力を与えるマスコット的なキャラのキューベーは一切教えません。
むしろ、魔法少女になるために願いを叶えてやったのだから、感謝するべきだという始末です。
つまり、魔法少女たちは本来味方であるはずの存在に裏切られたのです。
そして、作中でその真実を知った魔法少女は魔女になるシーンなどが放送され、主人公や視聴者を含め、阿鼻叫喚です。
最終的に主人公のまどかが自身を犠牲にすることで、魔法少女が魔女になることだけはなくなります。
しかし、魔法少女が戦い続けることは終わってはいませんでした。
まどかがいなくなったあとの物語が映画として公開されます。
この映画で、主人公のまどかの親友であるほむらが、まどかを解放するために悪魔になります。
ほむらはまどかを思うあまりまどかが救った世界を壊すということになり、結果的にほむらはまどかを裏切る形になってしまい、まどかや視聴者は深い深い傷を負うことになってしまいます。
その後、魔法少女まどかマギカの続きはありませんでした。
しかし、2022年に魔法少女まどかマギカの続きを作られるということが伝えられます。そして、ようやく叛逆の物語の続編が2024年に公開されることが決まりました。
一体にどうなってしまうのでしょうか。
このように2011年から始まった魔法少女まどかマギカを皮切りに放送された数多くのアニメ作品はかなり闇深いものになっています。
どれほど闇深いと言いますと、2010年代のアニメのテーマは、裏切り、闇堕ち、曇らせ・鬱展開、主人公の死亡などと言った精神的にきついものになります。
ロボットアニメでは、革命機ヴァルヴレイヴ、機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ、グランベルム。
魔法少女物では、戦姫絶唱シンフォギア、結城友奈は勇者である、魔法少女育成計画、魔法少女サイト。
他には、進撃の巨人、BLOOD-C、シュタインズ・ゲート、WIXOSSシリーズ、甲鉄城のカバネリ。
ネタバレを言いませんが、かなり闇深い作品です。
ご視聴の際は、精神的に気をつけてください。
かなり闇深いアニメ作品が放送されていた2010年代。
そんな中、2010年代最後の2019年に少しの光が見え始めます。
その作品とは、鬼滅の刃です。
鬼滅の刃は、人を食う鬼になってしまった妹を人間に戻すために戦う兄の物語です。
この鬼滅の刃の世界観は、何かを失った者たちがそれでも前に進むことをテーマにしており、2010年代に放送されたアニメの世界観とリンクするようなものでした。
その後、鬼滅の刃は誰もが知る大人気作品となっていきます。
さらに、現実世界では2020年からコロナが世界的に流行することになり、私達も絶望的な状況で生きていく状況に。
この状況が鬼滅の刃の世界観と深くリンクすることになり、鬼滅の刃は多くの人の共感を得ていきます。
そして、この多くの人の共感を得たこともあり、2020年には劇場公開された鬼滅の刃 無限列車編は日本の興行収入ランキング1位を取る偉業を打ち立てます。
この鬼滅の刃によって指し始めた光は、2020年代のアニメにも影響を与えていったと私は思います。
なぜ、私がそう思ったかというと、2020年代にあるアニメシリーズが完結したからです。
完結したアニメシリーズ、それは、新世紀エヴァンゲリオンです。
エヴァンゲリオンは1995年にテレビ放送されたオタクに最も知られているアニメ作品の1つになります。
エヴァンゲリオンは、テレビアニメとは違う新劇場版を公開していましたが、2012年に公開されたエヴァンゲリオンQ以降、何も動きがありませんでした。
そのエヴァンゲリオンが2021年3月にシリーズ完結となるシン・エヴァンゲリオンが公開され、ついについに約26年続いたエヴァンゲリオンシリーズの幕を下ろしたのです。
エヴァンゲリオンを当時から見ていたファンの人達、庵野監督の心労は相当だったと思います。
それでも、エヴァンゲリオンが終わることができた。
エヴァンゲリオンが終わったことで、次に新しい世代のアニメが登場してきます。
それは、機動戦士ガンダム 水星の魔女の存在です。
水星の魔女は、2022年に放送されたテレビアニメで、ガンダムシリーズ初の女性主人公(スレッタ・マーキュリー)が登場するということとヒロイン(ミオリネ・レンブラン)が主人公と同じ同性の女性という何もかも異例の作品でした。
そして、この水星の魔女は、2010年代に放送されたロボットアニメの呪いを解いていくことになります。
2010年代のロボットアニメは、最終的に主人公が死んでしまうという悲しい結末が多くありました。
そのため、水星の魔女も主人公が死んでしまうのではないのかと、視聴者は戦々恐々としていました。
ですが、水星の魔女の作中で様々な試練がスレッタを襲うものの、なんとか試練を乗り越えて、スレッタは生きて帰ってくることに成功。
最終回では、スレッタとミオリネは結婚して物語が終わるというハッピーエンドで幕を下ろします。
そして、これにより、2010年代に放送されたロボットアニメの呪いを水星の魔女は解くのでした。
水星の魔女が無事に終わった後のCMで流れたのが、今回のテーマである機動戦士ガンダムSEED FREEDOMです。
突然の発表で見ていた私も非常に驚いたことを覚えています。
そして、2024年1月26日ついにガンダムSEED FREEDOMが公開。
キラの本当の心情や頼れる仲間の存在。
今までぶつけることができなかった理不尽をぶつけることができる倒すべき悪役。
それらすべての存在によって、ガンダムSEEDの苦しみをどのように向き合えばいいのかという問題に愛で答えるのだという答えにたどり着けたと思います。
確かに、コズミック・イラの世界の問題は何も解決しちゃいません。
だけど、それでも、キラの周りにはラクスたちの愛があります。
欲を言えば、脚本を書いていた両澤千晶さんが最後まで関わってほしかったと思います。
しかし、20年という長い間、苦しんできたのではないのでしょうか。
ファンも制作陣も多くの人達を巻き込んだ。
だからこそ、ここで終止符を打たないといけないと私はそう思います。
そして、このガンダムSEED FREEDOMが示した愛という答えが、2010年代から続く、まどマギ世代の苦しみに終止符が打ってくれることでしょう。
さらに、これからの未来のアニメが誕生します。
その世代が示してくれる答えにちゃんと向き合ってあげないといけません。
これからの未来に出てくるアニメが一体どんな景色を見せてくれるのでしょうか。
私はすごく楽しみです。
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